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二本松写真ニュース
2013年
No.570
http://pnews.bine.jp
(1200×1700)
 二本松市のあだたら山の会(大内学会長)は、今年最後になる月例山行を 安達太良連峰前ケ岳で実施した。前ケ岳は安達太良連峰和尚山の東側、和尚火山カルデラ火口内にあり、中央火口丘とされる。和尚山と重なって見え、和尚山の広い裾野の一部は前ケ岳のものだ。一年中強風が吹き荒れることでも有名で、山頂近くには「氷河地形」か「風紋」とされる、土砂の縞模様があることでも知られる。その山頂付近に特徴的な裸地が見える所から岳温泉方面からは「鼻っ垂らし」とも呼ばれている。「中通り平野」に突き出したピークで眺めは抜群によい、白河(栃木県境)から福島(宮城県境)まで遮るものがない。
 1日(日)には会員23名が、フォレストパークに集合。南側の林道からと遠藤ケ滝不動尊側の二手に分かれて登山を開始した。9時半南側林道組はフォレストパーク近くの林道入口から入り、1時間林道を歩いて駐車場まで、そこから登山道に入って山頂を目指した。途中の林間の雪の上には生々しい熊の足跡が、指・爪の形まではっきり見せていた。「熊は裸足で歩いてんだ」との声もあがった。2〜3時間前のもののようだった。雪は30〜50センチ、林間を抜けると岩場になるが、雪に隠れた岩はとても滑りやすく歩きにくい。やがて低木帯も抜けて山頂手前からは 大型の安山岩塊が転がる山稜となり、まさに北アルプスの稜線(常念岳にそっくり)歩きの觀となる。低い曇で安達太良山や和尚山は山頂が見えない。が 下界はきれいに見える。風は猛烈で 倒されそうになる、ありがたいことに気温が12月にしては高く凍えることはなかった。雪も飛ばされるのか積もっていない。それでも11時30分には前ケ岳山頂に到着、早めに到着していた遠藤ケ滝組と合流、風当たりの弱い場所で集合写真を撮った。予定もあることから強風の山頂を早々に後にして下山を開始、1時間弱で駐車場着 雪の上にブルーシートを敷いて会場を作り芋煮の調理を開始した。風も無く日射しもある穏やかな午後、今日の感想など述べあっている内に芋煮も出来上がり配られ、お代わりもできた。雪道をゆっくり歩いて午後2時半には全員無事にフォレストパーク駐車場に戻った。
 前ケ岳には 整備された登山道は無い。地元大玉村の有志が整備中だ。会員にも関係者がおり その人の案内で、所々の目印テープを辿った。比較的わかりやすい山だが 地形図読みに自信のない人は、安易な入山を避け、案内を頼むこと。また熊も多い。
二本松市霞ケ城公園からの 前ケ岳遠望、
後ろは和尚山。
前ケ岳山頂手前、強風にもめげずここまで登った。
 熊の足跡、
はだしです。
 林道終点での「いも煮会」、風も当たらないし、日射しもあった、
まだ12月の初めだから この程度。
前ケ岳山頂の 東側に少し下った岩陰、 ここは風が当たらない。
 前ケ岳の山頂、従来の2万5千分の一地形図では 標高1340b標高点が「前ケ岳」とされてきた。ところが最新の地形図では その奥の標高1385b地点が「前ケ岳」とされ、従来の「前ケ岳」山頂標柱の立てられていた「前ケ岳」は「小前ケ岳」となっている。おそらく地元市町村からの要請で地名が変更されたものだろうと思われるが、1385b地点は和尚山からの尾根の小さなピークで遠くから見て「山頂」と認めがたい地点だ。矢張り遠くから見てのピーク、1340b地点が「前ケ岳」、1385b地点は「奥前ケ岳」等の別地名が相応しい。また「小前ケ岳」は既に別のピークに名付けられており混乱を招きかねない。このような場合、従来の地図(市販の案内図や遭対協の地図)との整合性を考慮して、地名は変更せず、新たに地名が必要になった場所には、「地名を移す」のではなく、新たな地名を冠するべきだ。
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第一次公開2008−03−11
二本松藩だより
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